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英国最大の要塞遺跡メイドン・キャッスル

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イースターの休日、夫婦で一泊だけドーセット州に旅行して来ました。日本では余り知られていないかも知れませんが、イギリス人にとっては、ドーセットは海岸線が美しいことで人気の観光地です。しかしドーセットで海を目指さず、遺跡巡りをする奇特な人間は、私達夫婦位かも…。そんな訳で、晴れた週末や夏休み中は、ドーセットやお隣のハンプシャーのビーチに向かう道路はめちゃ混みます。特に、ニュー・フォレスト国立公園内を横切り、Bournemouth ボーンマスに向かうA35号線は、ひどい渋滞になり易いので要注意。A35号線や高速M3号線の渋滞を避けて田舎道を通り、私達が最初の目的地Dorchester ドーチェスターに到着したのは、結局午後2時でした。ドーチェスターはドーセットの州都で、人口は1万8千人位ながら、歴史の大変古い町だそうです。なんと街のど真ん中に、新石器時代時代の円形土塁(=henge)かつローマ時代の円形劇場跡(再利用された)があり、更にローマ人の住居跡、北西端には中期青銅器時代の要塞跡があります。しかし私達が目指すのは、ドーチェスター南部の郊外の「Maiden Castle メイドン・キャッスル(カッスル)遺跡」。前回訪れたサセックスのシスベリー・リング遺跡が、英国で二番目に大きい要塞遺跡と聞いた時、じゃあ一番大きいのは、きっとこのメイドン・キャッスルに違いないと思い当たりました。以前テレビ番組で見て、その余りにも偉大な容貌に、是非一度訪れたいと思っていたのです。
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この正面の丘全体が遺跡で、麓から見ると単なる頂上が平らな丘なのですが、近付くと、斜面に不自然で人工としか思えない、何重もの深い溝と高い土塁が築かれているのが分かります。
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専用駐車場に車を止めて、西の入り口から丘の上を目指して歩きます。
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犬の散歩にも格好の場所だけど、乗馬をする人も。
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この土手には無数の兎穴が開いており、夕暮れでもないのに兎がわんさか跳ね回っていました。
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これが入り口。跳ね橋等はなかった為、出来るだけ敵の侵入を遅らせ食い止める目的で、迷路のような一際複雑な造りになっています。「まるで姫路城とか日本の城の入り口のようだな」とP太。
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溝(ditch)と土塁(wallまたはbank)がセットで「rampart ランパート」と呼ばれる防衛設備で、先史時代の要塞には付き物ですが、ここのは本当に険しく、機械の全くない時代に、こんな大規模な土木工事が手作業のみで行われたことを考えると、気が遠くなりそうです。
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頂上は、なだらかな丘状になった、ひたすらだだっ広い牧草地。羊がのんびりと草を食んでいます。
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この季節は子羊が沢山。母親1頭に付き子供1、2頭と言うのが多く、たまに三つ子もいました。
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真っ白い子は、ここでは少数派。羊は臆病で、人がちょっとでも近付くと大抵逃げますが、ここのは結構人馴れしていて、かなり近付いても平気でした。特に子羊は、好奇心旺盛です。
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この南東部分は、特にランパートの構造が分かり易い場所かも知れません。一番上の現在遊歩道になっている土塁も含めると、4重になっています。
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勿論、この要塞からの眺望は抜群。この南側の丘の向こうは海です。
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一方北側には、ドーチェスターの町が。あちこちに菜の花畑の黄色い絨毯が見えます。
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要塞の築造は鉄器時代ですが、元々新石器時代からここは居住区になっており、つまり6000年前から人類が住んでいたそうです。新石器時代には、ただ自然の丘の頂上に住居を構えていただけで、多分家畜を逃さない為の簡素な柵が囲んでいた位だと思いますが、鉄器時代には戦いが多くなり、防衛設備が必要になったのでしょう。英国のヒルフォートの多くは、鉄器時代のものだそうです。
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また、先史時代の要所をローマ人が再利用するのも、良く見掛けるケースです。これはローマ化したブリトン人の神殿跡。この遺跡内に唯一残る石造物のようです。紀元43年にローマ軍がブリテン島を占拠し、46年に北のDurnovaria(現在のドーチェスター)に移るまで、ここにローマ人の駐屯地が置かれたそうです。
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要塞の入り口は、西と東に二箇所存在しました。これは、後から作られた東の入り口。やはり一際複雑な造りになっています。
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一応このブログでは、こう言った「hill fort ヒルフォート」のことを、てっとり早く「(高台の)要塞遺跡」で通していますが、軍事的な目的だけで使用されたとは限らず、単に防衛機能に囲まれた一般人の住居跡の例が多いようです。その場合、どちらかと言うと「城塞都市」に近いのですが、当時「城」と呼べる程強固で大掛かりな建物もなければ、都市と呼べる程人口も多くなかったので、日本の「吉野ヶ里遺跡」のような「環濠集落跡」と言う言葉が、本当は一番しっくり来るのかも知れません。
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唯一、ランパートを横切る遊歩道。ここを通ると、いかに急かが実感出来ます。
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面積の広さだけなく、ランパートの高さ・構造の迫力で、英国最大とナンバー2の要塞遺跡の差は、正直言って余りにも大きいと感じました(笑)。更に航空写真を眺めると、この遺跡の雄大さが実感出来きます。この後まだまだ訪れる予定の場所があったのに、結局遺跡を二周も歩いて、ここで相当時間を食ってしまいました(汗)。最近、すっかり遺跡マニアになりつつある私…。
by derliebling | 2014-05-02 15:20 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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