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ショーハムのボートハウス群

今年は、イギリスでは大変貴重な夏らしい夏だったのにも関わらず、ほんっとに何処にも行きませんでした。それで8月末の三連休の最終日、とても天気が良かったので、少しでも夏らしさを味わっておこうと、ちょっくら海へ行くことにしました(急遽フリマの後に)。
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やって来たのは、ブライトンの西のShoreham-by-Sea ショーハム・バイ・シー(海辺のショーハム)と言う町。中心街Old Shorehamは、Adur川の河口と言うかラグーンと呼ぶべきか、内海に面しています。左手に見えるのは、対岸の砂州の半島に通じる歩道橋(建設中)。内海は、まるで湖のように波がなく静かです。
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続いて半島側にやって来ました。ここには、1950年代以降のイギリスとしては新しい住宅ばかりが並んでいます。ここの南側が外海で、さすがに波が有り海らしく見えます。水の色が美しく、これだけで夏らしさを満喫出来ました。中央奥に見える街並みはブライトン。遠くはセブン・シスターズの白い崖まで見渡せます。
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イギリスの浜辺には付き物のビーチ・ハット。海水浴者に貸し出すのかと思ったら、それぞれ別荘のように個人が所有しているそうです。
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この半島の内海側(北)には、ちょっと珍しい光景が在り、休日には結構見学者が集まり、一種の観光地になっています。何故なら、沢山の個性的な「ボートハウス」が並んでいるからです。全部で20軒近くあるかな。「ボートハウス」、すなわちボートを永久停泊させ、住居に改造したものです。
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この堤防上が歩道となり、右側が海&ボートハウス。左側は結構急な崖になっています。
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ボートハウスと聞くと、オランダの運河に浮かぶ、花いっぱいに彩られた快適そうなものを思い出したのですが、ここのは全く趣きが違います。言わばジャンクの巣窟
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「シンプル・イズ・ザ・ベスト」と言う言葉は、ここには一切存在しません。出来るだけ個性的に、複雑怪奇に面白楽しく生きようと考える人達が集まっているように見えます。
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元は普通の船だったものを、岸に固定して家に改造した建築物が多いようです。こんな立地こそ、太陽光熱パネルは便利。
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とにかく、ゴチャゴチャ装飾するのが好きな人達が住んでいるようです。船の塗装の色もこの通り。
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絵が描かれた船も。
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歩道に面した塀のペイントでさえ、こんな具合だし…。
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総じて、ボヘミアン趣味とでも呼ぶべきかな。もし日本だったら、限りなく浮浪者が住んでいるとしか見られないと思います…。清潔感と利便性と秩序を愛する人には、根本的に不向きな暮らし(笑)。
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「海辺に住む」と言っても、ほとんど水が澱んだ湿地帯のような内海だし、爽快感はまるでナシな風景。塩水だからボーフラは湧かないだろうけど、ジメジメ湿気が多くて不快そうです(笑)。船の中身は近代的に改装されているのでしょうが、下水処理とかどーしてんのか?などとつい考えちゃいました。
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念の為、違法滞在者でなく、ちゃんと許可をとって所有権を持って税金払っている人達が住んでいます。この通り正規の住所を持っているからこそ、ポストも設置されています。
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中央の、サテン地の紫色の服着て頭にバンド巻いたおじーさんに注目。住民は、やはりジプシーっぽいセンスと言うか、ヒッピー系ファッションの人(要はイカレタ格好の人)が多いみたい…。
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バンティングとジョリーロジャー(ドクロの海賊旗)は、ここの住民のお約束の装飾品のようです。ジョリーロジャーは、船なので海賊気分ってことでしょうけど、バンティングはいつもお祭り気分ってとこか。
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洗濯物も、実用を兼ねた重要な装飾品の一部に違いない。
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こんな場所でも(失礼)、ガーデニングには手抜かりありません。さすがはイギリス人。
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小屋の屋根の上には、ルーフ・ロック・ガーデン。この下では、鶏が放し飼い。
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この並びで、奇跡的に秩序が保たれて見える家。新築中の船(家)も見掛けました。
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可愛いモザイクの表札を発見。
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この船(家)では、トールペイントの制作を承っているようです。こういう場所は、確かに常識に囚われるのが嫌いな、自由を愛するアーティストのコミュニティには最適かも。一見カントリー風でも、ガネーシャ(ヒンズー教の象の神様)のリレーフも飾られている雑多具合。
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歩道の反対側の崖下も、船所有者の敷地になっているようで、大抵廃材がゴッチャリ積み上げられ、藪が生い茂り、まるで単なるゴミ捨て場のように見えます。
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とにかく、役立ちそうな材料は何でも集めるって感じ(P太の父親もそれに近い)。余ったものは、この通り「御自由にお持ち帰り下さい」だって。
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かと思えば、こんなに完璧に整備された庭になっている敷地も。
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このカオスな場所でも一際目を奪って迫力だったのが、この船。もはや船って言うか…、バスとか車とか何でも側面に嵌め込まれているんですよ(汗)。キャプテンハーロックの船(アルカディア号)のオリジナルも、コンセプトは似たようなもんか(笑)。
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魚雷も、ガーデン?アクセサリーとして飾られているし…。
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この船がギャラリーになっていたので、入って見ることに。しかし入り口に通じる木橋にしても、ガタガタ軋んでこれまた相当スリリング。イギリスでは、新品のソファを壊す程太った人が沢山居るし、耐荷重量とか人数制限とか大丈夫なのか、などと色々不安になりました。船の内部の写真は撮っていませんが、犬のミイラが展示してあったり(涙)、想像した通りのジャンクの巣窟なインテリアでしたあ。
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ボートハウスの並びが切れると、最初に歩いたOld Shorehamを対岸に眺めることが出来ます。…いやー、私もジャンク収集が趣味のようなものだし、面白い光景を見ることが出来たって満足感は得られましたが、こんなところに自分で住みたいとは全く思いませんね(笑)。清潔さや秩序には大して拘らないほうですが、例えお金持ちで別荘としてでも、真っ平だと思います(笑)。幾つかのボートハウスは、実際売りに出されていました。良くも悪くもイギリス人の価値観は、日本人よりずっと幅広いと実感しました。
by derliebling | 2013-09-10 15:27 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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