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世界最初の鉄製の橋、アイアンブリッジ

シュロプシャーでの小旅行の終盤です。古いマーケット・タウン「マッチ・ウェンロック」を出発した後は、そのほぼ北にある「The Iron Bridge アイアンブリッジ」を目指します。…その前に、近くにある石炭火力発電所で一瞬車を止めました。
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イギリスには、こんな巨大な徳利型の煙突を持つ、石炭火力発電所があちこちにあります。水を大量に使用するので、大抵水辺にあります(原発と一緒)。その中でもここは、森の中に突然巨大煙突が生えて見える奇妙な光景です(P太のお気に入りスポット)。イギリスに住み始めた時、最初にこんなぶっとい煙突から煙がモウモウと出る様子を見た時は、恐ろしいほど迫力で、ひゃー地球に厳し過ぎる~と感じました。実は、それは煙ではなく、単なる水蒸気なのですが、石炭を大量に燃やすことは、オゾン層を破壊し、環境に悪いのには違いないそうです。
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シュロプシャーは、決して国際的に観光にメジャーとは言えませんが、もし海外の団体旅行者が来るとしたら、このアイアンブリッジ位かも知れません。何せ世界初の鉄製の橋で、ユネスコ世界遺産に登録されています。アイアンブリッジ、すなわち単なる「鉄橋」と言う訳ですが、当時はこれしか存在しなかったのだから、この名称で通るようになりました。正式名は、「The Iron Bridge at Coalbrookdale(日本名:コールブルックデール橋)」と言うそうです。因みに、橋がある集落の名前も「Ironbridge アイアンブリッジ」です。
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深さが有り水量は多いものの、川幅は意外に狭いなと思いました。流れも緩やかです。現在は、川岸には沢山の釣り人がのんびりと構える、長閑そのものの場所ですが、かつては英国の最先端を行く工業地帯だったそうで、その分大気&水質汚染も凄まじかったものと想像出来ます。
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その名残りとして、かつて倉庫であったと思われる建物が沢山残っていました。二階、三階にもドアのあるのが特徴です。ここから滑車で荷物を運び入れたのだと思います。今は一般住居や別な用途の建物に改装されているものが多く、その場合階上のドアは大抵塞がれているか、窓に換えられています。
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この周辺には、昔の陶器工場、タイル工場、鉄鋼鋳造工場だった建物が、今は博物館として残っています。このゴシックの城風の建物は、昔の倉庫で、今は峡谷博物館となっており、アイアンブリッジ建設当時の峡谷の様子を再現展示しているそうです。手前には、線路の痕も見えます。
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橋が見えて来ました。
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その途中、フェンスもドアも窓辺の花も、全て紫系でまとめたお洒落な家を発見。「でも車は紫じゃないんだねー」とP太。イギリスでは、紫の車もそんなに珍しくありませんから。
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・・・と思ったら、その近所にいきなり仏像が鎮座された庭があり、こんなところに仏教寺院?? 周囲には竹やモミジ(英語名:Japanese maple)が植えてあり、一応日本庭園のつもりのようです。仏像の背後のレンガ壁が、全く似合っていません。日本人の作るイングリッシュ・ガーデンも、もしかしてこんな勘違いだらけに見えるんだろうかと悲しくなりました(笑)。
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ハイストリートには土産物屋、ティールームやパブ、アイスクリーム屋等が並び、バリバリの観光地っぽさ満点。因みに、老舗テディベア・メーカーの「メリーソート」は、創業時からこの村で操業を続けており、小さな専用博物館もあるとか。
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ビンテージ屋かと思ったら、ビンテージのインテリアや小物で揃えたカフェでした。
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アイアンブリッジに到着しました。長さは約60mのアーチ橋。ロンドンやブダペストの鉄橋を思い出すと、かなり小さく感じます。修復は繰り返されていますが、1779年(18世紀!)に建造された現物です。トーマス・プリチャード設計、エイブラハム・ダービーの施行に寄り、産業革命の先駆けとして建設されました。
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勿論歴史的、技術的には画期的なことだったのでしょうが、私としては、橋のデザインとしての美しさに感心しました。周囲の美しい峡谷と、見事に調和しています。
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橋だけでなく、この峡谷一帯も、ユネスコの世界遺産に指定されています。この川、河口付近でイングランドとウェールズの国境となる「River Severn セヴァーン川」なんですね。こんなところを流れているとは…。国境では、海の深い入り江にも見える大河となっていますが、ここでは未だその面影はありません。日本の川は、大抵中央の山岳地帯から海側の平地に流れるものと決まっているけど、イギリスは土地の標高差が少ない為か、分水点や川の流れるルートは非常に複雑です。
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橋上から村の眺め。十分自動車の通れる幅がありますが、当時は当然自動車なんて存在せず、その重さに耐えられる強度はないようです。かつては、石炭や鉄鉱石を運ぶ馬車が行きかったのだと思いますが、現在は歩行者専用となっています。この近くに、住民の交通用に最新の斜張橋が建てられているようです。
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橋の反対側には、かつての料金所が。
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先ほどの火力発電所の煙突が、ちょこっとだけ見えました。
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周辺の博物館巡りや、橋の夜のライトアップも楽しいようです。橋自体は無料で見て渡れるので、近くを通った際は、是非立ち寄って欲しいアイアンブリッジです。この、今は牧歌的そのものの美しい峡谷で、昔の産業革命の息吹に想像を巡らせて見て下さい。
by derliebling | 2012-10-10 16:13 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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