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英国王立園芸協会ウィズリー庭園

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絶好の秋晴れが約束されていた週末、夫婦で何処かの庭園に紅葉を楽しみに出掛けようと思っていた矢先、義母から電話が掛かって来て「Wisley Gardens ウィズリー庭園で今リンゴ祭りが開催されるので、一緒に行かない?」とのお誘いがありました。ウィズリーは、20世紀初めに建てられた英国王立園芸協会(略してRHS。総裁は女王)の運営する広大な植物園。ロンドンから南西のGuildford ギルフォード市の近くにあり、うちからもそう遠くはないのですが、私はまだ一度も行ったことがありませんでした。P太にとっては、キューガーデン同様、子供の頃家族で何度も訪れた、結構御馴染みの場所だそうです。
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それで、義両親とウィズリーで正午に待ち合わせすることになったのですが、入口に到着して見て唖然。入場料が一人10ポンド近くするのです。P太が子供の頃は、当然両親が払ってくれていたので、そんなに高いという認識は予想外だったそうです。しかも毎年値上がっているようで(イギリスでは珍しくないことですが)、2、3年前の情報では7.5ポンドとありました。ケチなP太の顔には、「近くのウェイクハースト(ナショナルトラスト会員なのでタダ)にしておけば良かった~」との明らかに後悔の色が(笑)。しかし私でも確かにたっかいなァと思います。義両親は、RHSの会員なので無料。キューガーデンも入場料がメチャ高いので、家族無料チケットが義両親の元へ届く際のみ、一緒に連れて行って貰っています。同様にRHSの年会員になれば、5、6回で元が取れるそうですが、ナショナルトラストと違って訪れることが出来る場所は限られているし、凄いガーデニング好きでもない限り、同じ植物園に年に何回も行くとは思えません。
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しかも、義母の勘違いでリンゴ祭りは次の週でした(笑)。とにかく、見応えのある植物園なのは確かだろうし、金は払ってしまったので、尚更存分に楽しまねば!と意気込みました。
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入園してまず目に付くのが、このチューダー風の建物。研究室だそうです。
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この季節は、セージ類が綺麗でした。強健で花期が長いので、庭にも沢山植えたい植物です。
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起毛のメキシカン・ブッシュ・セージ。別名アメジスト・セージ。
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植物園の中心を流れる小川の脇に、砂岩で出来たクマのオブジェが。手に魚持っています。
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ここは、自然の斜面を利用したロックガーデン。人口の清流が横切っています。
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このロックガーデンには、高山植物などが植えられてあります。地べたを這うように背の低い、鮮やかな花色のリンドウ。こんな青やロべりア、ヤグルマギクの青って魅力的だなー。
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水辺の脇には、食虫植物がまとめて植えられていました。役に立つけど、眺めて余り気持ちの良い植物ではありません(笑)。
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この近くで、何だか人が群がっていると思ったら、大きなアオサギが。実は周囲に人が10人以上いるのに、全く動じず、真剣に魚を狙っています。私も、こんな近くでアオサギを見るのは初めて。でもこの庭園管理側にとっては、余り嬉しくないだろうな。結構高級そうな鯉も放流してありますので…。
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この庭園で、この時期他に目立っていた植物と言えば秋明菊。「Japanese anemone 日本のアネモネ」と呼ばれ、英国式庭園のシェイドガーデン、または秋の花として人気です。これは縁がフリル状になった、ちょっと華やかなタイプ。
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ヒガンバナ科のゼフィランサス(タマスダレ)。英語名は「Fairy lily」とか「Rain lily」「Zephyr lily」と言うそうです。Zephyrは西風を意味します。(ちなみに彼岸花は確か「Spider lily」だったような)
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少し尖った花びらの、凛とした花姿です。様々な色のバリエーションがあります。
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草地には、ほとんど野生化した原種シクラメン、そしてコルチカムの群生。
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ハーブガーデンでは、スウィートなグラデーションが綺麗なバーベナが咲いていました。
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こちらは、非常に小さな花弁が集まったバーベナ・ボナリエンシス。
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縁だけほんのり赤く染まった、何とも可愛い花。実はアジサイの仲間で、品種名は「Vanille Fraise ヴァニラ・ストロベリー」と言うそうです。
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見事な大株に育ったアスター。この花色に微妙に白が混じっているので、何とも言えない美しさがあります。手前の枯れたアリウムの穂も、絵になっています。
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こんな棚、うちの庭にも欲しい。中央の大きな銀白色の葉は、起毛でフカフカでした。
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巨大な温室にやって来ました。割と最近完成されたもので、P太にとっても初めてだそうです。
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この内部は、熱帯雨林、乾燥地帯などに分けられいるのですが、脇にギャラリーらしきものもありました。
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遠目には、胡蝶蘭とかシンビジュウムなど温室栽培の蘭の類かな?と思いましたが、近くで見たら、何とネリネの特別展示でした。
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ネリネは彼岸花の仲間で、通称「Diamond lily」。地植えOKだし(※半耐寒性)、普段はボーダー花壇などに植えられ、こんな高級な扱いを受けることなんて、まずない植物なのです。
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絵画風の展示の脇には、ネリネの寄せ植え。
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こんな種類のネリネもあるんですね。見慣れた植物の可能性を感じた、興味深い展示でした。
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この温室で、一番目を引くのがこの滝です。子供達にも大人気。
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横から見たところ。結構な水量です。
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透ける甘い花色とうな垂れる様が可憐な、房咲きのベコニア。
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やはり花びらが透けて美しいPlectranthus ciliatus。中心には、細かい水玉模様があります。葉に触れたら、ミント類のような香りがしました。普段は、葉を鑑賞する植物のようです。
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「自然の造形って面白い!」と唸らせる花、Grevillea johnsonii。和名は「シノブノキ」。この学名は、RHSの創始者Greville グレヴィルに因むものだそうです。
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この温室の中で、一番気に入ったStoreptcarpus Crystal Iceという花。マットな白と紫色の組み合わせにウットリ。一応名前を記録するのにラベルの写真を撮って来ているのですが、植物がかなり混み合って植えられている為、それが本当にその植物の名前か定かではありません(笑)。
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斑入りの葉のハイビスカス。
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長さ20cmもある、巨大なレモン。
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続いて、メキシコなどの乾燥地帯の植物コーナーに入ります。
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岩などを多用して、まるで現地に居る雰囲気に再現されいるのは見事です。
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トゲトゲのサボテンは苦手だけど、スベスベのサキュレントは好き。こんなサキュレントは、英語では「Stone plants」と呼ばれるそうです。どちらも花は結構可愛いのが多いんですよね。
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先が、緑と言うよりはもはや青に近い、不思議な色合いのサキュレント。
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この直径50cm以上あるメキシコ原産の巨大サボテンは、名前が強烈。「Mother-in-low's-cushion 姑クッション」と言うんです! ちょうど義母と一緒に見ていて、「イヤな名前ねえ」と二人で大笑いしました。同時に、仲良く笑って見ていられる関係である幸せを噛み締めました。
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温室を出ると、大平原の植物生態が再現されてありました。植えられているのは、主にアスターです。
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続いて、なだらかな天然の丘を利用した「記念祭の森」と果樹園に向かいます。
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森の入り口で、いきなり白樺の木の根元に愛しの毒キノコちゃん発見! こんなに集中して生えているのを見るのは、初めてかも…。
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キノコ大国フィンランド育ちの義母は、「そんなに珍しいキノコじゃないわよ」とアッサリ言っていましたが、私にとっては何度見ても嬉しいし、イギリス人にとっても目を引く心躍るキノコのようです。ロンドン生まれロンドン育ちのP太は、スコットランドと現在の自宅側でしか見たことがないと言っていました。実際この群生を見付けた子供が、「ママ、パパ、ここに 素敵な(Nice)キノコがあるよ!」と叫んでいました。内心「美味し(Nice )そうに見えても食べちゃいけないよ…」と思いましたが。
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果樹園の入り口には、籐で編まれた巨大リンゴ・オブジェが。種の部分とか、良く出来ています。
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果樹園の中心には、ゆっくり螺旋状に登って行く展望台。まだ完成途中で、ほとんど黒いビニールシートで覆われているので、見栄えの良いものではありません(笑)。
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しかし、ここからの眺めは中々です。
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この展望台の脇には、広大なリンゴ畑が続いています。
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植物園のリンゴ畑なので、有りとあらゆる種類のリンゴが植えられています。
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リンゴは、十分熟すると、ニュートンさんが言うように万有引力で勝手に地面に落ちます。辺り一面リンゴの甘い香り…と思いきや、発酵し始めた、要は腐った臭いが漂っていました~(苦笑)。このリンゴは、スタッフが拾い集めて(勿論傷んでいないのだけ)売店で販売しているようです。
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リンゴの他にも、様々な実のなる木が植えられてありました。赤い実を眺めるのは良いもんです。
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一瞬サクランボのようですが、これは姫リンゴ。
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結局お昼からでは全て見回ることは不可能で、やはり入場料高の高さを実感しました(笑)。実際バラ園や日本庭園なども見事だと聞くのに、見る時間が無くて残念でした。消化不良に終わらない為には、絶対朝一に来てガンガン歩くべき、と思う一方、そんなに気を揉んでセカセカ回るなんて、庭園鑑賞に相応しくない…とも思います。幾ら充実した植物園でも、一日で簡単に周り切れない程広大なのは困りモノです。しかし、日本から特別園芸好きの人が訪ねて来るのでもない限り(しかもキューはすでに見た人)、再び行く機会は当分なさそうです。私達には、キューの分園「ウェイクハースト」で十分満足です。
by derliebling | 2010-10-29 16:49 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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