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ゴシックの市庁舎と大学の町ルーヴェン

イギリスから車でドーバー海峡経由でドイツへ行く(またはドイツから帰ってくる)場合、大抵ベルギーの何処かで休憩、または一泊することになります。フランス国内を通るルートもあるけれど、フランスの高速道路は有料部分が多い為、高速無料のベルギーを通過する訳です。これまた出来るだけ素敵な町に滞在するのに限りますが、私はベルギーに関する知識が全くないどころか、ガイドブックさえ持っていません。そこでまたもや、単なる道路地図頼りです。今回の旅行は、早朝フェリーでフランスのカレーに到着することから始まりました。その後ドイツのケルン辺りで宿泊することを目指しましたから、ブリュッセル辺りで昼食を取らなければなりません。しかしブリュッセルはベルギーの首都。町が大き過ぎて、駐車するのには不便です。そこでブリュッセルの東約30km、Leuven ルーヴェン(フランス語:Louvain ルーヴァン)と言う、全く知らないけれど、地図には「観光的に大変面白い」と記してある町で昼食を取ることにしました。
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ルーヴェンは、狙った通り程良い大きさの町のようで、高速を外れると、すぐに中心に辿り着くことが出来ました。町中に入ると、まず目に付いたのが、おびただしい自転車に乗った若者の数。すぐにここが大学町であると気付きました。後から調べたら、ルーヴェンはベルギー最大の学生の町だそうです。
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そして、町のヘソらしき広場へ出て見ると、観光的に非常に魅力的な町であることを確信し、地図の記述が正しかったことを実感しました(…たまにハズレもあるけど)。ちょうどブリュッセルの有名な「グラン・プラス」を狭くしたような広場。狭いだけに、一層建物の大きさを感じます。
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一際目を引く迫力のゴシックの巨大な固まりは、一目で市庁舎だと分かりました。元々15世紀に立てられた、フランボワイヤン様式のゴシック建築です。
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近付いて見ると、物凄い数の彫像が壁面を埋め尽くしています。全部で300体もあり、聖書やルーヴェン縁の人物をモデルとしているそうです。
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この市庁舎、「石のレース」とも呼ばれているそうです。多くのオドロオドロしいゴシック建築と違って煤けておらず、輝くように白く華麗な建物なので、なるほどと思える表現です。
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市庁舎の向かい側にある「聖ペトロ参事会教会」。10世紀末に起源を持つ市内最古の教会で、建物自体は15世紀のゴシック建築。
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そのファサードは、この規模のゴシック建築としては地味めと言うか、やたら直線的だと思いました。
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広場の東側の、やはり迫力の建物は、博物館のようです。
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町の中心部は、最長二時間までしか駐車出来ないので、この時は町をさっと見渡して、両替をして(ユーロを持っていなかった…)、セルフサービスのカフェで簡単にサンドウィッチの昼食を取っただけでした。しかし私もP太もルーヴェンがすっかり気に入ったので、二週間後のドイツを去りイギリスへ帰る際、この町で一泊することに決めました。
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宿でチェックインを済まし、再び車で町へ出ます。二時間以上散策すると見込んで、街外れの住宅街の路上に駐車しました。・・・ん?この家並み、まるでイギリスのよう。
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テラスド・ハウスのひしめく風景は、イギリス独特のものかと思っていましたが、ベルギーでも沢山見掛けました。ただこの家並みで決定的に違うことは、中央の道路が、イギリスではすっかり珍しくなった石畳だと言うこと。P太に言わせると、一昔前の北イングランドの鉱夫家族の住居は、こんな感じだったそうです。
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ルーヴェンは、9世紀に成立した、後にブラバント公となるルーヴェン伯爵家のお膝元として栄えた城下町です。歴史の古い町だけに、見応えのある立派な建物が目白押しですが、決して重苦しくない、活気ある若々しい雰囲気が漂っているのは、やはり大学町だからでしょう。
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街には15世紀創立のルーヴェン・カソリック大学があり、大学関連の建物は市内になんと200以上もあるそうです(これがそうかは知らんけど)。
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こんな中規模の地方都市なのに、お洒落な着こなしの人を結構見掛けました。これは町の目抜き通りのブティックのディスプレイ。いわゆるBOHO(都会的ボヘミアン)スタイルです。
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こちらも同じ店のディスプレイ。左に何故か古い日本女性の写真が。
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ヨーロッパでは、子供服のほうが趣味に合うし、実際自分に似合いそう…と思うことが多々あります(笑)。ちょっとキャス・キッドソンっぽい花柄のワンピに、年甲斐も無く懸想。
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なんて粋な色使い。でも実際こんな服装の子供は、滅多に見ません。
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同じ子供服屋のディスプレイを、二週間後に見てみると、こんな風に変わっていました。
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オランダのアムステルダムを訪れた際は、カラフル・ポップ&キッチュな商品が充実しているなあと思いましたが、お隣ベルギーもその分野は得意なようです。これはビニール製のテーブルクロス。
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こちらは、市庁舎のある「大広場」より一回り大きな「旧マーケット広場」。沢山のパラソルとテラス席が並んでいる通り、一階はパブやバー、レストランなどが軒を連ねています。飲食店が多いのも、大学町ならでは。日曜日の夕方なのに、かなり賑わっていました。
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ルーヴェンにはベルギー最大のビール工場もあり、「ビールの町」としても知られているそうです。車を運転するから、食事中ビールが飲めなかったのは、P太にはちょっと残念。
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イギリス人にとっては、一般的に「ベルギーは観光的な魅力に欠ける国」と認識されているそうです。全く余計なお世話だと思いますが(笑)、確かに高速道路の風景も、ドイツからベルギーの入ると途端につまらなくなりますし、家並みはイギリスに似ていて、普通の農村の風景はイギリスより退屈な気がします。文化的にもオランダとフランスの中間に位置し、今一つ個性がはっきりせず、国の地形が概ね平坦で変化に乏しく、なのにオランダのような風車とかチューリップ畑とか、ポイントになるものが不足しているからのようです。けれど、このルーヴェンやGent ヘントのような、文化の香り高く宝石のように煌く町が、そんな平凡な風景の中に点在するベルギーなのです。
by derliebling | 2010-09-06 16:01 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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