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ネズミ捕り男の町ハーメルン

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木組みの家並みの美しいハン・ミュンデンを去った後は、ヴェーザー川沿いにメルヘン街道を北上して、Hameln ハーメルンへ向かいます。このルートは、途中「いばら姫」の舞台となったサバブルク城、「ラプンツェル」の挿絵のモデルとなったトレンデルブルク城、優雅な保養地バート・カールスハーフェン等もあり、ヴェーザー川の西側には美しいラインハルトの森が広がる、風光明媚なドライブ・コースと知られているようです。
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んが! 途中ソーラーパネル屋やソーラーパネル村などを発見したものだから(この地域は本当に多かった~)、最終目的地ハーメルンに到着したのは午後4時過ぎに。
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ハーメルンは結構大きな市なので、駐車するのに手間取りました。街の中心から1km近く離れた駅の、更に裏側の住宅地に車を止め、えっちら歩いて行きました。
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ハーメルンを舞台にした民話「ハーメルンの笛吹き」を聞いたことのない人は、きっといないのではと思います。大人の欲に寄って多くの子供が消えた…という教訓付きの昔話ですが、実はあれ、単なる御伽噺でなく、実際にこの町で13世紀末のある日、130人もの子供が突然失踪したという史実に基づいているのです。原因は今だ解明されておらず、子供十字軍説、東欧移住説、疫病説など、専門家により様々な解釈が立てられているようです。どちらにせよ、薄気味悪い話です。当時ハーメルンは製粉業が盛んだったので、ネズミがどっさりいたのは事実のようです。更に遍歴芸人が副業として、ネズミ捕りも兼ねていたとか。日本では一般的に「笛吹き男」と呼ばれていますが、ドイツ語では「Rattenfänger ネズミ捕り男」です。つい「ネズミ男」と言ってしまいそう…。
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実際子供達が姿を消したという通りも残っていて、今でも舞楽禁制となっています。極普通の飾り気ない小路なだけに、余計リアリティを感じました。
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その小路の角にあるのが、観光名所の一つ「ネズミ捕り男の家」。現在はレストランになっていて、「ネズミのしっぽ料理(実は豚肉の細切り)」と言うのが名物らしい。…名前だけと分かっていても、あんまし喜んでチュ~文したいとは思わないなあ(一応おやじギャグ言ってみた)。とにかく建物自体が目を引くことは確かで、この他にも歴史の古い町だけに、ハーメルンには見応えのある古い建物が沢山あります。
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これは、ヴェーザー・ルネッサンス様式の代表と言われる、サーモンオレンジの外壁と装飾が優雅で美しい「ライストハウス」。今はネズミ捕り男博物館になっています。
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ヴェーザー・ルネッサンス様式は、オランダ建築の影響を受けていて、「ウトルフト」と呼ばれる張り出し窓のあるのが特徴です。
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そのお隣の「シュティフツヘレンハウス」。
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こちらは「結婚式の家」。この壁は仕掛け時計になっており、一日3回だけ下の扉が開いて、ネズミ捕り男&子供達の人形がグルグル出てくる仕組みになっています。…それにしても、何故「結婚式」なのかは今だ分からず。元々登記所だったのか?
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ライストハウス同様、ヴェーザー・ルネッサンスの傑作「デンプターハウス」。こちらもサーモンオレンジの外壁の、お菓子のような装飾です。
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サーモンオレンジ色も素敵だけど、青い外壁も素敵。
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こんなファサードの頂上がギザギザの建物を見ると、確かにオランダっぽいと思います。
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ベルギーでも、こんな形式を見掛けますね。
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これは郵便局のようです。なんて立派なんだ。
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ユーゲントシュティールの素敵な建物も。
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勿論立派な木組みの家も沢山あります。梁に書かれた金の文字がアクセントに。
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古風な建物の一階がサンドウィッチ・チェーン店になっていて、その対比が面白い。
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でもやっぱり商店街よりも、一般の民家が軒を連ねる住宅街を歩くとホッとします。
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梁の曲がり具合を強調したようなペイント。
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まるでクッキーで出来た家みたい。ドアはイギリスの物と変りませんが。
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とっても大きな家でした。フォークロアな木彫が素敵です。
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またしても、一体どういう発想でこんな装飾を?と思ってしまいます。
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私はやはり、生活臭のする家が好き。どんな人が(内部を)どんな風に暮らしているんだろう、自分だったらどう住むか?など、勝手に想像できる家が楽しいのです。
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そしてハーメルンのシンボルは、何と言ってもネズミ。街のあちこちでネズミ・モチーフを見掛けました。例えばこれは、駅近くにあった身長150cm位のネズミの像。何故か街の地図がプリントしてあるようです。
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橋の上にも金ぴかネズミ。下にはヴェーザー川が流れています。
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皮細工にしか見えませんが、実は乾パン製なのです。もしかしたら、水で戻せば食用できるんだろうか。…考えたくない。
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下の白ネズミはマシュマロ、上は焼き菓子のようです。
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ダラッ~とだらしないネズミのバスケット・カバー。はたしてこれは売り物なのかな?
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---結局街を去ったのは8時近くでした(この時期のヨーロッパの日は長い)。しかし、これだけ立派な建物が多い伝統ある町なのに、ハーメルンは規模が大きいせいか、余り治安が良いとは思えないということで、P太と意見が一致しました。見て来た他の町の雰囲気が良過ぎたのかも知れませんが、旧市街地はまだしも、中心から駅へ向かう道は、ドイツにしては汚くて、少し荒んでいる気がしました。
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最後に、旧市街地を去ろうとした際、ネズミ捕り男が私の前を「Guten Abend! こんばんは」と言って通り過ぎて行きました。そのまま彼は、例の子供達が消えた小路と「ネズミ捕り男の家」の角を曲がって、夕暮れの中に一人足早に姿を消して行きました。勿論、街で演じられるネズミ捕り男の野外劇の役者さんに決まっているのですが(しかしまた、なんで舞台衣装のまま・・・)、ネズミにつままれた、いえ、キツネにつままれたような、呆気に取られた一瞬の出来事でした。
by derliebling | 2010-07-05 16:31 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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