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ちょっとだけワケあって夫婦別姓

ちょっとだけワケあって夫婦別姓_f0141785_20473981.jpgとうとう七月に入りましたね。移民局に申請を出したパスポートが、先月頭に戻って来まして、無事永住権を獲得することができました。しかし家族も友達の中にも、私が英国籍を獲得したもんだとばかり思い込んでいる人がいて、もう日本人じゃないと信じているようです。…こんな立派な国籍、誰が捨てるもんかい。
ついでに言うと、実は私は苗字も旧姓のままなのです。日本では可決寸前ぐらいまで行ったのに、年金問題やら少子化問題などで、すっかり打ち消されてしまった(?)夫婦別姓制度ですが、どういうわけか、国際結婚のみ以前から別姓が認められているのです。勿論夫の姓に変えることも出来ましたが、様々な名前の書き換え等、海外から手続きをするのは非常に面倒なので、旧姓を選びました(なので結局”旧”姓ではありませんね)。旧姓をミドルネームにする二重姓なら良いと思ったのだけど、わざわざ家庭裁判所を通さなくてはならないので、これも見送り。それで今のパスポートには、「自分の元の名前+カッコ夫の姓」という、珍妙な形式になっています。銀行口座は旧姓、健康保険や普段の生活では夫の姓で通していますが、特に問題はありません。
キャリアウーマンの姉は、夫婦別姓制度を待ち望んでいた一人です。しかし一向に法が改正されないので、今はやむを得ず戸籍上は夫の姓になっていますが、家の表札には自分の旧姓も並べています。私はと言うと、結婚する予定もなかったものだから(笑)、それまで夫婦別姓について真剣に考えたことはありませんでしたが、元の自分の姓を結構気に入っているので、結婚相手の姓がよほど平凡かヘンで、自分の名前に合わなかったら嫌だなあー、ぐらいにケーハクに思っていました。名前って、大抵親が苗字とのバランスをも考えて付けてくれたものだと思うのです(たまにバランスを全く無視したために、失笑を買うような命名の場合もありますが…)。それを崩してしまうのには、やはり抵抗を感じます。よほどダンナの苗字がかっこ良くて、自分の名前との相性も良くない限り、慣れ親しんだ自分の苗字に、何も好き好んでサヨナラしたくはありません。それに苗字には、先祖や故郷の土地の歴史が詰まっています。特に姓で呼び合うことが多い日本社会では、ある意味苗字は、名前以上に大切なアイデンティティではないかと思うのです。
これに対し、欧米では職場でも(上司にでも)、ファーストネームで呼び合うのが普通です。しかしイギリスほどの人種のルツボとなると、苗字は民族を示す重要なIDです。義母も、結婚後の姓のためにフィンランド人と思われないことが嫌で、陶芸の創作活動では旧姓を名乗っています。しかしイギリスにも夫婦別姓制度はないため(長年夫婦同然に暮らしていて、正式に結婚していないカップルは山のようにいますが…)、結婚しているのに私が旧姓のままでいるのは相当異常なので、夫はあまり嬉しいこととは思っていません。この国では、ムコに入って夫が妻の姓を名乗ると言うことも有り得ないそうです。離婚率が50%のイギリスですが、離婚後旧姓にもどす女性もほとんどなく、ちょっとだけワケあって夫婦別姓_f0141785_20481649.jpg何でも手続きが非常に面倒なのだとか。だとしても、イヤで別れた夫の姓を離婚後も引きずるのは、非常に不快だと思うのですが…。日本のように「あんなヤツの苗字なんか見るのも御免っ」とばかり、離婚後すぐに旧姓に換えちゃう人のほうが、よほど理解できます。
私が旧姓のままでいることに、夫が一番不満に思っていたのは、永住権獲得に不利なのではないかという心配だったので、永住権も無事取れたことだし、今後特別に問題がない限り、多分このままで行くとは思います。永住権を得て、つまりイギリスに死ぬまで住んで良いわけですが、将来この国で果てて、この国の土になる覚悟は、全く出来ていない私なのでした…。

写真は近所の公園にて。
by derliebling | 2008-07-03 02:52 | イギリス生活・文化


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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