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ケントの奥座敷庭園、エメッツ・ガーデン

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その週末は、ケント州のナショナルトラストの「Emmets Garden エメッツ・ガーデン」へ行くことにしました。こんな暖かい季節の、天気がそこそこ(少なくとも雨は降らない)の週末は、同じナショナルトラストなら、度々行くナイマンズウェイクハーストシシングハースト、この近くのチャートウェルなどは、駐車場の空きを探すのが大変な程賑わっているのですが、エメッツに到着して見ると、規模も結構大きいし、ロンドンからのアクセスも簡単なはずなのに、何やら空いていて少し驚きました。どうもそれらに比べると、今一知られていないようです。かく言う私達も、うちからそう遠くないのに、ここを訪れるのは初めてでした。
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駐車場から、出来立てホヤホヤで、未だ木の香りが芳しい入り口兼売店の建物を通ります。
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敷地はかなり広大で、また勾配もあるらしく、こんな乗り物も用意されています。
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美しい白樺林の中をしばらく歩くと、
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こんな小さな小屋があります。雨が降った時の為の傘、子供の為の昔ながらの遊具類が置いてあり、誰でも使用して良いことになっています。
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その先に、ロック・ガーデンがあります。それ程広くはありませんが、かなり高低差が付けられていて、充実して見えます。
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最近オリジナルの姿に改装されたそうで、この池の周囲以外は真新しく見えました。
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ロック・ガーデンと言う事で、乾燥気味の土地と日向を好む植物が植えられています。
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これは、Leonpotodium alpinumと言う、ユーゴスラヴィア産のエーデルワイスの仲間のようです。こんな高山植物も、ロック・ガーデン向き。元々過酷な環境に適した植物だから、栄養過多にすると返って弱るそうです。
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Sagina subulata Aureaと言う植物。蛍光色に近い黄緑色が眩しい、こんもり丸く茂った葉の中に、非常に小さな白い花が咲いていて可愛いのです。
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普通黒い花と言うと、濃い紫か茶色なのですが、このパンジーは限りなく漆黒に近い花色です。
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ロック・ガーデンのお隣は、ローズ・ガーデンに続いています。通路を覆う見事なバラのアーチは、金属の鎖に絡ませてあります。ここで、25年前から務めている庭師さんから、このエメッツの説明を受けることが出来ました。この当りは、ケント州で最も標高が高いそうで(と言っても海抜200m程度!)、その為に1987年のイギリスとしては未曾有のハリケーンでは、樹木の95%が破壊されたそうです。
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ここからお屋敷が見えます。元々は富豪フレデリック・ルボックが、19世紀後半に週末用の別荘として購入した屋敷と庭でした。その後アメリカ人の地質学者チャールズ・ボイスに渡り、庭のみナショナルトラストに寄付されました。現在このお屋敷は、集合住宅になっていて、一般人は立ち寄ることが出来ません。
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ローズ・ガーデンは、イタリア式のフォーマル・ガーデンです。
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フォーマル・ガーデンと言うことで、芝生との対比を強調しており、バラの種類の見本帳のようなモティスフォントナイマンズのバラ園とは異なり、3~4種類のバラしか植えてありません。貧乏性の私は、こんなに広いのに勿体無いっと思ってしまいます(笑)。
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その中でも一番魅力的だったのは、このピンクのダブルのオープン咲きのバラです。P太も、こういうバラが一番好みなのだそうです。しかも芳香も良く、ローズ・ガーデン全体に香っている程でした。生憎植物札が全くないので、何の種類か分りませんでした。
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ローズ・ガーデンは、お屋敷の真正面・真南にあります。かつては、この二つを遮っている生垣は無く、お屋敷から直接繋がって行けたものと思われます。
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ローズ・ガーデンの南側に、広々とした牧草地兼ピクニック・エリアがあります。背後のweald(英国南東部の丘陵森林地帯)も綺麗。庭師さんのお話では、ここに約3000個のチューリップの球根を植えたのですが、バッジャー(イタチの仲間)に食べられてしまったとか。特に赤のチューリップが美味しかったようで(笑)、1000個植えた赤いチューリップのうち、20~30個しか咲かなかったそうです。開花時の写真を見ると、現在は黒とピンクと黄色のチューリップがメインの、独特な色彩のチューリップ畑のようです。
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草原や林の中のあちこちに、キャンバスに転写された、自然がテーマらしい写真が展示されていました。周囲に違和感なく溶け込んだ展示方法で、中々面白いアイディア。
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ローズ・ガーデンから、herbaceous(草花)ガーデンに続きます。
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咲き始めたセダム。細かい淡いピンク色の花が、繊細で綺麗です。
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その奥に、かつてはお屋敷の馬屋の建物だった、現在は自家製ケーキやクリームティー、アフタヌーンティーや軽食が楽しめるティールームがあります(…写真を撮るのを忘れた)。更にその奥は、鬱蒼とした森の中の遊歩道に続いています。
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この辺の森では、根こそぎ倒れた大きな木を良く見掛けます。皆同じ方向に倒れていて、例の1987年の記録的なハリケーンの爪跡です。
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イギリスでも、20~30年に一度はハリケーンが来ます。木の方も、チョークの上の薄い土壌に生えている浅い根なものだから、強風に全く慣れておらず、簡単に倒れてしまったのだと思います。
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遊歩道から一度一般道に出ると、別なお屋敷の門がありました。お屋敷自体は、門からは全く見えません。イギリスでは、金持ちはとことん金持ちです(笑)。ここからチャートウェルへ、片道約10kmで歩いて行けるそうです。往復20 km…、うーん、今は歩ける自信ないなあ。
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本当は、世界中の珍しい樹木を集めた庭なども有るのですが、次に別な場所へ移動する予定があり、今回は半分程度しか見て廻りませんでした。大人も子供も一日中楽しめる程、広大で中々充実した庭園なのに、団体客が海外からバスで押し寄せることもなく、今一マイナーで空いている分、結構穴場かも知れません。またこの周辺には、可愛い村も多いようです。庭師さんのお勧めでは、紅葉の季節、春のチューリップやブルーベルの季節が特に見頃だそうで、是非また訪れたいと思います。
by derliebling | 2012-09-13 16:20 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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