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通★生活

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結婚前にP太が、食事で塩分を取り過ぎると、左足の関節に塩の結晶が溜まり、歩けない程傷む持病を自分は持っていると言っていました。その時私は、そりゃ確かに塩分の取り過ぎは、色々健康に悪影響を及ぼすけど、これまた厄介な珍しい病気を持っているねえ、と思いました。とにかく、料理の味付けには気を配っていました。しかしその後、彼がその持病を会話の中で「gout」と呼んでいるのを聞き、「…それはそんなに誰でも知っている病名なのか?」と質問したら、「うん、とても有名だよ。歴史上の人物でも、多くの人か苦しんでいたのが知られている。例えばヘンリー八世とか…」と言う答えが返って来ました。私はその単語を知らなかったのですが、なぬ?あのデブ王が患っていた?と聞いて、ピーンと来ました。
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「通風」。じゃあ、それ塩じゃなくて尿酸の結晶じゃん! 痛みを起こす原因は塩だけじゃないじゃん!と、既に私でもその程度の知識はあったので、イラッと来ました。その昔母が、未だ二十歳代なのに、父の歯の一部が入れ歯だと(当時インプラントとかなかったから)結婚後初めて知ってショックだったのと多分同じ位、私もショックを受けました。通風を、おじーさんの病気だと信じている人は多いようです。実際私もそうでした。しかし本当は、30歳代でも発病する人は珍しくないそうです。そしてかつては、王侯貴族にのみに見られる病気だったので、贅沢病と呼ばれていましたが、先進国諸国で誰もが一定以上の栄養素を摂取出来る現在、特殊体質が原因に寄る生活習慣病の一つと見なされています。つまり、尿酸を体内で人より多く生産してしまう、または尿酸の排出が悪いと言った体質の人が、通風、または高尿酸値症を引き起こすのです。実際、食事からの影響は15%に満たないそうです。その体質の不具合は、生活の悪習慣が引き起こしている場合もありますが、先天性の遺伝体質に寄ることも多く、現にP太の父親も通風持ちです。勿論、尿酸値を上げない為の食生活・運動を心掛けることも大切ですが、毎日薬剤で尿酸値自体を下げることが、現在の最も確実で一般的な治療法と言われています。
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実際義父は、この薬を常飲している為、長年発作を起こしたことがありません。しかしP太の場合、イギリスのNHSのことなので、この薬を受け取れる判定の出るまでが、また一苦労でした。それまでは、何故か発作時に痛みを抑える鎮痛剤しか貰えなかったのです。それで、自発的に血液検査を受けに行ったものの、待てど暮らせど結果の連絡が来ない(NHSでは良くあること)。こちらから電話を掛けて確認すると、受付が勝手に「問題無し。正常値だ」と返答しました。これだけ発作が起きるのだから正常な訳ないだろう…と、一年後もう一度GP(家庭医)へ行くと、やはりそれは誤診、と言うかデタラメで、もう一度検査を受けるように言われました。発作が落ち着くのを待って、その後2、3ヶ月掛けて二度程血液検査をし(検査自体はあっという間に済むが、例の如く予約の空がない為)、やーっと尿酸値を下げる薬を得ることが出来ました。元々欧米人よりもアジア人に多い病気だそうで、イギリスの社会が通風に対して疎いと言うのもあるようです。
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風が当るのも辛い位痛いので、通風と言う名前が付きました。その痛みは、骨折に匹敵すると言われています。勿論、塩分の取り過ぎも大敵ですが、その他にも尿酸値を上げる注意すべき食品は沢山あります。代表的なのがビール。プリン体と呼ばれる物質がクセモノで、日本ではプリン体ゼロの特別なビールも販売されていますが、1月の訪日時にP太が試してみたら、さっぱり味が無くて美味しくなく、ノン・アルコールのビールのほうがマシだそうです。今はビールはほとんど飲まず、サイダー(リンゴ酒)かワインにしています。どちらにしても、他のアルコール類も、肝臓や腎臓の機能を弱め、尿酸を多く生産、または排出を妨げるので、通風患者は出来るだけ控えたほうが良いそうです。一方、水分を大量に取ることは非常に大切で、P太も常に心掛けています。只、高速道路で片道2時間掛けて通勤しなかればならない時、その間100km以上サービスエリアが無い区間を通過せねばならず、当然トイレに行けない為、出勤する前に極力水分摂取を控えるので、良く通風の発作を起こします…。水分としては、利尿効果が高く、カフェインが含まれるお茶類よりも、(特に夜間は)水が一番望ましいのですが、単なる水の味が余り好きでないとのことで、水で倍以上に薄めたジュースを一番良く飲んでいます。私の忠告を無視して、就寝前もこれを飲み続けていた為、案の定虫歯が出来ました~。それ以来就寝前は、カフェイン無しで安心な麦茶を、夏でも冬でも飲むようにしています。この麦茶も、味が濃過ぎるとコーヒーみたいな味だから飲めず(コーヒー大嫌い)、イギリスではティーバッグがバカ高いので、母に頼んで日本から送って貰っている面倒臭さです。
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牛や豚肉と特にレバー、甲殻類など、カロリーや脂肪分、コルステロールが高い食品は全般に不向きですが、意外に要注意なのが、青い魚やキノコ類。特に乾燥シイタケなど、旨み成分の多い食品は危険なのだそうです。青魚やキノコなんて、抗ガン作用バッチリで健康に良いのに(しかも私の好物)、これでは今後どうメニューを考えたら良いんだ~と、一時は頭抱えました。しかし現在の専門家は、とにかくカロリー、脂肪分、糖分、コルステロールを控えた、尿をアルカリ化し易い野菜や海藻類中心の、要は一般的にバランスの良い健康的な食生活を心掛けるように指導しています。勿論通風も辛いのでしょうが、高尿酸値症が引き起こし易い高血圧、糖尿病、心臓病、脳血管障害、腎臓障害等の、他の病気の合併症も恐ろしいので。
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それから、やっぱり運動も欠かせません。と言っても、激しい運動は逆効果で、ウォーキングや水泳などの有酸素運動が有効だそうです。思えば、P太がエコに没頭し始めてからは、夕方の散歩がすっかり無くなり、この町へ引越してからは、公営プールが遠くなったので水泳をする機会も激減し、更に自宅勤務が基本となって、どう考えても運動量が極端に減って以来、通風の発作(&体重)が増えたように思います。
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通風は、今まで90%男性に起こる病気と言われて来ました。しかし現在は、女性の社会進出も珍しくなく、過労とストレスで女性ホルモンのバランスを崩し、通風に掛かる女性が急増しているそうです。また、栄養の偏った、時間帯の不規則な食事、欧米化された高カロリー&脂質の食事が浸透し、20歳代でも通風発作を起こす人が増えているとか。東洋人の体質は、欧米型の食事を取り続けると、欧米人以上に健康を害します。P太も、顔は多少バタ臭いものの、体付き・体質は全く東洋人です。今後とも、野菜の多いアジア的な食生活を出来るだけ心掛け(言われなくともしてるさ)、通風夫を見守って行きたいと思います。
by derliebling | 2012-08-31 16:40 | イギリス生活・文化


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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