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玄関周りのガーデニング・コレクション

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イギリスの民家には、大抵「前庭」と「裏庭」があります。公道に面し玄関のある方が前庭で、その反対側、つまり文字通り建物の裏手にあるのが裏庭です。概ね裏庭の方が断然広く(と言うより京の町屋のように奥行きが深~い庭が多い)、花壇と芝生とペイヴィングを巧みに組み合わせたイングリッシュ・ガーデンだったり、更にBBQ用の炉やサマーハウスがあったりと充実しています。前庭は、街の中心部や旧街道に面した家の場合、ほんの少し、または全くないこともあります。しかし裏庭は、大抵2m程の木塀かレンガ塀にキッチリ囲まれているので、一般人の目に触れる機会は滅多にありません。その点前庭は、背の低い生垣かフェンスに囲まれている、または全く柵が無い状態だから(この方が防犯に良いらしい)、公道から誰でも覗くことが出来ます。そして、この季節にイギリスの雰囲気の良い住宅街を歩くと、園芸大国なだけに、花々で美しく彩られた見事な玄関周りを沢山見ることが出来ます。日本の都会の建て売り住宅だと、例え一戸建てでも、この前庭程度の庭しかない場合が多いので(姉の家がそう)、返ってイギリスの裏庭よりも、前庭のほうがガーデニングの参考になるのではと思います。
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イギリスらしい理想的な花いっぱいの前庭と言ったら、きっとこんな感じでしょう。うっとり見とれてしまう美しさ。前庭の広さは6畳もない位で、地植えのみならず、コンテナー、ハンギング・バスケット、窓辺、壁と、スペースを駆使し、縦も最大利用する工夫がされています。(撮影地:チチェスター
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そのお隣の、同じ大きさの前庭。隣に負けじと気合入っています。こういう美しさで競い合うのは、周辺環境への活性化にもなるし、とても良いことですね。(チチェスター)
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ドイツ語圏では良く見掛けますが、朱赤のベラルゴニウムだけでまとめるのは、イギリスでは返って珍しい程かも知れません。(撮影地:スマーデン
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レンガの壁を伝う赤い蔓バラは、やはり西洋の建物のイメージに欠かせません。(チチェスター)
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こちらの壁に這っているのは、藤のようです。開花時には、やはり西洋の建物らしい魅力的な景観を作りますが、四季咲きのバラと違って、花期が短いのが残念。この他にも、クレマチス・モンタナを玄関周りに這わせた家も、イギリスでは良く見掛けます(撮影地:タドリー
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実は、地面は雑草が生え放題で、余り手入れされていません(笑)。でも華やかな背の高い宿根草のお陰で、そうとは中々気付かせない庭。無精者に最適テク(笑)。手前の朱色の花:オリエンタル・ポピー、奥のマジェンダ色:グラディオラス、青:宿根矢車菊です。(撮影地:レナム)
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ドアを中心に線対称に配置するのが、どうやら玄関周りのコンテナーの基本のようです。かしこまった印象を与えます(撮影地:メイフィールド
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オレンジと黄色をメインカラーとした、盛夏に相応しい寄せ植え。(撮影地:ウェスターハム
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花は少なめに、グリーン中心でまとめると、スッキリ都会的なイメージ。(撮影地:サットン・ヴァランス
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変化に富んだ常緑樹と、合間にちょこちょこ置かれたガーデン・アクセサリーがポイントで、真冬(一月!)なのに輝いて見えた、明るく楽しい雰囲気の庭でした。(撮影地:ウィンチェルシー
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並べられた植木鉢まで、抜かりなく絶妙のバランスです。(撮影地:ルイス
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こちらの家は、樽型などの木製コンテナーでまとめてあります。(撮影地:ロング・メルフォード
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まるで絵本みたい!と感激した家。外壁の色、ドアや鎧戸の色と、パステルカラーのバラ中心の前庭の組み合わせが、見惚れてしまう可愛さです。(撮影地:ビデンデン)
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こんもり丸く華やかなハンギング・バスケットは、イングリッシュ・ガーデニングの真骨頂ですね。配色良く、下部までムラ無く茂らせることと、乾き易いので水を絶やさないよう管理するのには、それなりのスキルが必要なのだと思います。(撮影地:ヘミングフォード・グレイ
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やはり、この壁&ドアの色だからこそ絵になるハンギング。植物は、ペチュニアとロベリア中心のようです。(撮影地:ヘミングフォード・グレイ)
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こちらは民家ではなくパブですが、やはり見事な出来栄えのハンギングです。イギリス全国、ハンギングに組み合わせて使用する花は、大体決まっているようです。(撮影地:コーフ・キャッスル
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しかし、今まで撮影した中で、断トツに印象に残っているのは、「古本屋の町」で出会ったこのおうちでした。花は、朱赤のベラルゴニウム、ピンクのインパチェンスやフーシャ、青いロベリア中心で、余り多くの種類を使っていない点が、盛り沢山でもまとまって見える秘訣かも知れません。家の主の、ガーデニングに対する気迫のようなものさえ感じられます(笑)。(撮影地:ヘイ・オン・ワイ
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面白いことに、これら花いっぱいの玄関の多くが、前庭がとても小さいか、全くない状態のものだと言うことです。撮影した場所のほとんどが、観光に人気の歴史的な町や村の、前出のように「中心部」または「旧街道沿い」と言うのもありますが、下手に車が止められる広さがあると、庭として花々で飾るよりも、全面ペイヴィングかコンクリート敷きにして、単なる駐車スペースにしちゃう場合が多いからだと思います。実際ロンドンでは、そういう前庭が多過ぎて、雨が降っても吸収出来る地面が少ない為、洪水を起こし易いリスクがあると、ニュースで問題になっていました(ひえー、それじゃあ東京なんて、もっとヤバイですね)。そして都会の場合、前庭に植木鉢等を置くと、盗まれたり破壊される可能性があります。美しい玄関周りは、治安の良さの証明でもあるのです。一方、「花は番をする」とも言われていて、手入れの行き届いた前庭or玄関周りのあるキチンと見える家は、空き巣に狙われにくい利点があるそうです。
因みに我が家の前庭は…、北向きで日当たりが悪いことを理由に、せいぜい生垣の剪定と草むしりをする位で、かなり投げた寂しい状態です(汗汗)。日の燦々と当たる、花いっぱいの前庭に憧れます~。勿論日陰でも、それなりに味のあるシェイド・ガーデンらしくすることは出来るはずなのです。しかし庭造りには、何に付けてもお金が掛かるので、今は裏庭優先ってことにしています(笑)。我が家も含めてこの周辺は、戦後に建てられたつまらない外観の家ばかりなのだけど、庭が良く手入れされてきちんと見えれば、例えヴィクトリア時代の立派な建物でも、前庭が駐車スペースだけか不要家具捨て場になっている家よりは、見栄えが良いのは確かです。裏庭が一段落したら、前庭ももう少し何とかしたいと思います。
by derliebling | 2012-07-16 16:48 | ガーデニング・植物


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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