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ビンテージ・シンディのお洋服達

昨年のフリーマーケットで、ビンテージ・シンディのアウトフィットを、何枚か一辺に入手することが出来ました。それは、プロかセミプロと思えるストールで、売り主に全部セットで5ポンドと言われ、最初は高いなあと渋りました。何せ5ポンドと言えば、私が一回のフリマ全体で費やす平均合計金額ですから(笑)。でも結局、4ポンドに値切って購入しました。良く考えれば、私にとっては非常~に美味しい買い物でした。服&小物で合計10点位あるし、元々子供の玩具だったのに係わらず、状態も全体的に驚く程良好で、幾つかは未使用かと思える程綺麗なのです。服のデザインも、その時代らしい魅力的なものばかり。ビンテージ・シンディのオリジナルのアウトフィットも、eBayで買うとなると人気で値段が高いのです。特に嬉しかったのが、私の最も好きなシンディのアウトフィットの一つ、「Cook in」と言う服を手に入れられたことです。
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これが大好きな「Cook in」(1977年)。シンディのアウトフィットには、バービー同様概ねタイトルが付いています。70年代らしい柄物のワンピースと、ストライプのエプロン、そして本当はエプロンと共布の鍋つかみがセットになっていました。イギリスでは御馴染みの、左右が繋がったタイプの鍋つかみです。このエプロンは、輪状になった紐を首に引っ掛けて通す、欧米では典型的な形式。質感(綿)や柄と共に、今でもイギリスで売られていそうな、とてもリアルなエプロンです。
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ワンピースだけでも十分素敵。写真だけで見ていた時点では、素材はコットンだと思っていましたが、実際手にとって見ると化繊地でした。襟やカフスなど、中々綺麗に仕上げられています。何だか私がベルリンで買ったビンテージ・ワンピに、結構似たイメージです。そしてこんな格好をして、更に頭にバブーシュカを被ったイギリスのおばーちゃんを、今でも街で見掛けます。この柄のワンピースに、焦げ茶のストライプの、どちらかと言えばマニッシュなエプロンを合わせたセンスがとても好きです。
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こちらは「City shopper」(1977年)と言う名のツーピース。本来は、これに共布のつばのある帽子が付いていました。フォルム自体は単純なものが多いビンテージ・シンディのアウトフィットですが、今では絶対手に入らない、この時代らしいプリント生地を使用した服が多いのが大きな魅力です。そして、とにかく共布の小物がお決まり&お得意だったようです。リカちゃんやジェニーのアウトフィット・セットの場合、帽子やバッグは、大抵他の製品と同じ型を使い廻しした樹脂製だったりしますが、実際の人間の服でも、帽子やバッグが服とお揃いの生地と言うのはお洒落です。
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ポンチョと共布の帽子がセットになった、「Autumn day」(1977年)。元はこれに黄色のスカーフも付属していました。袖がなく、手のみ出せる切込みの付いたポンチョが、ヨーロッパらしいデザインです。ポンチョの前仕立ては、ダーツが中々美しく入っています。しかしどう考えても、確実にこの時代のシンディ人形用のはずなのに、帽子がシンディの頭には小さ過ぎて入りません(涙)。なので、当時のリーフレットに掲載されていた通りの、手に持ったポーズで撮影してみました(笑)。
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ひゃ~、すっごい裾広がりのパンツです。やはり1977年の「Week ender」。1977年の服ばかりなのは、多分元々これらのお洋服達の持ち主が同一人物で、同時期に一辺に購入したからだと想像しています。シンディ人形のペディグリー社では、同じファッションを何年か後に再び発売することも多かったようで、この服も、1984年に「Beach party」と言う名前で再登場したようです。しかし、80年代にこのベルボトムはないだろうよ…と思いました(笑)。ホールターネックのトップスは、身ごろが前だけで、首と腰の後ろで紐を結ぶ、言わば「金太郎の前掛け」状態です。現在のイギリスの女性の多くは、こんなトップスを着用する時でも、普通のブラジャー付けちゃって、丸見えでも平気だったりするんですよね…。
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このおばーちゃんのモスリンの生地のようなブラウスも、ビンテージ・シンディの服なのは確かなようです。ただし、名前も年代も分かりませんでした。この写真でラッパッパ具合が一層実感出来る上記のベルボトムと合わせると、結構雰囲気出ると思います。
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このパンツのみ手作りのようです。恐るべきファンキー柄で、この生地でパンツを仕立てようと思った発想がスゴイ。裾のフリルも、乗り捲くって作ったのが窺えます。上に合わせている黒のスタンドカラーのカットソーは、ジェニーの服です。
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1977年の、「Night spot」と言うイブニング・ドレス。色はエクリュとでも申しましょうか。元々はヘアバンドと、金色のブレードに縁取られた茶色いガウンがセットになっていました。童顔のシンディには大人っぽ過ぎるイメージの服ですが、こんなドレスは、今でもイギリスではパーティ時等に需要がある、結構一般的なタイプです。シンディのドレスは、いわゆる子供のお絵かきのお姫様ドレスのような空想上のものではなく、実在しそうなパーティドレス、当時流行のウェディングドレス、時代考証に一応基いたヴィクトリア時代のドレスなど、あくまで現実的なものでした。今回買ったシンディのアウトフィットは、どれも状態は子供の中古玩具とは思えない程良好ですが、元々服の造り自体が、同時代のタカラの人形の服と比べても大変粗雑です。このドレスも、身ごろから肩紐の縫い目が見事にズレて、要は繋がっておらず、自分で補正しました。
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このトレーナーみたいな赤いカットソーのトップも、一式に含まれていました。無駄が無いだけに、色々組み合わせ易そうなリアルな服です。ただしシンディのアウトフィットには、この服も含めて、後ろの留め具(ホック)の数を極力少なくした、着ると背中がばっくり見える「びんぼっちゃま服」が多いのです(笑)。ボトムは、ジェニーのプリーツ・スカートです。
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これらの服を調べる為に色々資料を眺めていたら、昔のシンディのアウトフィットは、ビンテージ・バービーの服ほど凝っていない、極めてシンプルな構造や装飾だったけれど、柄や色の組み合わせの中々オシャレなものが多かったことに改めて感心しました。それは、その時代ならではのファンキーなプリント生地だけでなく、水玉やギンガム、無地など在り来たりな布地でも、組み合わせや質感に寄ってこんなに魅力的に見えると教えてくれる、今尚真似したくなるセンスでした。ビンテージ・シンディのアウトフィットは、幼女服の延長ではなく、遠い憧れの世界でもなく、あくまで当時の一般的な若い女性の服を模していたようです。言わば、イギリスの時代を切り取ったファッションで、服装史の資料としても興味深いと思います。元々この人形のキャッチフレーズは、「The doll you love to dress 着せ替えしたくなるお人形」でした。そのコンセプト通り、着替え用の服は勿論、下着や靴等の小物、家具、生活用品等も、大変充実したバラエティで販売されていたようです。現在のバービーやブラッツ等の主なファッション・ドールを見渡すと、別売りの服や小物、家具類はほとんど存在せず、概ね人形とセットになっていて、いかに単価の高い人形自体を多く買わせるか?と言う戦略になっているように思えてなりません。実際、コストを抑える為に、下着や靴や身ごろ等が既に人形にプリントされていて、着せ替え不可能な仕様になっている人形も多いのです。また、ここ10年以降のフリマで売られている中古ファッション・ドールを眺めても、一家族に付き夥しい数の人形を持っている割に、着替えは余り見掛けないのです。幾ら販売されている着替え自体が少ないとは言え、新しめの人形には、手作りの服さえ見掛けません。服や家具など自分で組み合わせを考えて遊ぶことは、実生活の演習になるだけでなく、創意工夫を育むのに重要だと思うのですが、現在の子供達は、余り人形の着せ替えは楽しまないのでしょうか? だとしたら、何だか淋しい限りです。
by derliebling | 2012-07-26 16:17 | おもちゃ・人形


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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