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おもちゃ天国

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今回のは、決して楽しい話題ではありません。我が家のクリスマスは、P太の両親の家で、P太の妹の家族と、クリスマスイブ~クリスマスを泊り込みで過ごすのが慣例です。クリスマス・プレゼントは、それぞれ差出人や宛名の名前が付いたタグ、またはラベルを貼って、クリスマス・ツリーの下に置き、ごちそうの後(イギリスでは通常25日の昼、我が家では北欧風にイブの夜)渡して開けます。この他にも、子供用には”ファーザークリスマス(サンタ・クロース)”からということで、巨大靴下にプレゼントが詰められます。
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義妹夫婦には2歳半になる娘がいます。つまり私の血の繋がらない姪のわけで、この姪の受け取るクリスマス・プレゼントのボリュームは、毎年他の大人6人が受け取る全部合わせた倍以上あります。数的には全部で30個位でしょうか。彼女の両親の友達、お父さん(義弟)の数多い親戚からのもありますが、1/3位は両親自身からのものです。もはや「まあ、いっぱい貰って良かったね~」と微笑ましく思える量ではなく、年端も行かない幼児にこんなに物を与えるなんて…と空恐ろしく感じる程です。しかもどう見ても、二歳児には複雑過ぎて早過ぎるおもちゃがほとんど。正規の玩具には必ず対象年齢があり、それを守らないと、壊したり怪我したり誤飲したりする危険があるわけですが、見事に皆その規定を無視して贈っているのです。高さ5cm程の精巧なスターウォーズのフィギュアとか、ラジコンカーとか、Wiiの新しいソフトとか、それ明らかに自分達が楽しむ為のものだろっっ(笑)とツッコミたくなるものが多くを占めました。
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プレゼントの中身は、おもちゃだけではなく、絵本や服、DVDもありましたが、姪が興味を示すのは、やはり御馴染みのTV番組や映画等のキャラクター物だけ。ひいおばあちゃんかららしい、昔ながらの手編みのあみぐるみもあったけど、見向きもしませんでした。何だか姪が一度にこんなに大量の物を貰って、興味がないものは次々にホッ放り出す様子を見ると、もはや私達がプレゼントする意味あるのかなーと思わざるを得ません。実際彼女の両親は、タグやラベルをロクに確認もせず、姪に続け様にラッピングをグチャグチャに開けさせるので、どれが誰からのプレゼントなのか把握していない状態です。
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現在の子供がこんなにおもちゃだらけなのは、何も姪に限ったことではなく、イギリス中、またはヨーロッパ全体に言える傾向です。多分日本も同じでしょう。子供の不要になった山のような数のおもちゃを売るストールが、フリマで多くを占めるのも頷けます。以前、「欧米社会では、子供と大人の領域はきっちり区別され、子供は小さな頃から個室を与えられ、子供のおもちゃが居間など大人の空間に持ち込まれることはまずない」と聞いたことがあるのですが、(個室は本当だけど)ウソばっかでした。昔は真実だったのかも知れませんが、少なくとも今のイギリスでは、単なる日本人お得意の「西洋買いかぶり」に過ぎません。P太の親友アンディの家も、子供が娘のオリヴィアが一人だけだった頃から、文字通り、家中足の踏み場も無い程おもちゃで溢れていました。義妹の家も然りです。どちらも決して狭いアパートではなく、庭付きの2~3階建ての家です。日本より住宅事情に恵まれている分、子供のおもちゃ&遊具に金を掛けるのは、イギリスのほうが派手かも知れません。うちの周囲を見渡しても、小学生位の子供のいる家庭は、皆柵付き巨大トランポリンを裏庭に置いています。P太はオリヴィアの「名付け親」ということになっているので、毎年彼女の誕生日にはプレゼントを贈らなくてはならないのですが、実際アンディから「おもちゃは(もう飽和状態なので)贈らないで欲しい」と注文される程です。それで毎年服を贈っています。
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ハンガリーの友人シルヴィの甥っ子ベンディは、確か今5、6歳になります。彼女の話はこうです。ベンディの母親(シルヴィの義姉)は、子供の世話がキライで、外で働いているわけでもなし、家事も満足にしないのに、息子をほとんど自分の母親の元に預けて、エステやバーで遊び回っているいるそうです(ちなみに彼女の妹も同じで、育児を放棄しているらしい)。祖母と言うのは、洋の東西を問わず孫に甘いもので、このおばあちゃんも、事あるごとに孫が欲しがるものを買い与えているようです。その結果ベンディは、今ではもはや、何か貰っても「ありがとう」と言わず、代わりに「他にもっとないの?」と聞く子供に育ってしまいました。幼稚園では、他の子供に暴力を奮うので問題になりました。おばあちゃんの家でお菓子を1kg食べて、病気になったこともあるとか。
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私は全く子供が好きではないのですが、姪とは義両親の家で会う度に沢山遊んで上げます。誰かが相手をしていないと、あれもこれも手を出してイラズラ三昧だからなのですが、はっきり言って、うちの仲悪い猫二匹と同時に遊ぶよりもハードです。と言うのも、いつも食事の支度で忙しい義母は仕方ないとして、他の大人は、子供目線で遊んで上げるということが滅多になく、悪戯を止めさせる為には、只おもちゃや食べ物を与えるだけだから。どうも大抵私一人で、相手するのを請け負っている状態です。義妹夫婦がお構いナシなのは、単に私が「子供好き」で遊んでいると信じていて、これは息抜きの良いチャンスと思っているのかも知れない…。P太なんて、もはや子供アレルギーに近く、姪と遊んだことがないどころか、抱っこしたことすらないのでした(とほほ~)。
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その姪との遊びと言うのは、アルミフォイルを丸めた玉を「孫の手」で打ってパターゴルフもどきをしたり、ポスター等の大きな紙筒をトンネルに見立てて、小さく簡素な木の車を走らせたり(何故か車好き)、ゴミを再利用したようなものばかり(笑)。最新のハイテクなおもちゃは何一つ使っていません。でも姪にはこれが余程楽しいらしく、毎回飽きもせず「もっと遊ぼう」と何度も注文して来ます。本来子供は、どんなものでもおもちゃに見立てて遊ぶことが出来ます。シンプルなおもちゃこそ飽きにくく、子供の創造力を育てます。しかしその為には、大人が遊び方を教えて、根気良く付き合わなきゃなりません。そうして触れ合うことは、子供の社会性を育てます。でもそれが面倒なので、多くの親は、子供が一人で静かにしてくれるようにと、ずっとTVやDVDを見続けさせたりします。または、複雑で高価な流行のおもちゃを数多く与えれば子供は幸せ、と信じている親が、世の中何て多いことか。こんな子供(&親)では、本当に将来が不安どころか、何も希望が持てません。・・・なんてことをイチイチ考える私やシルヴィのような人間は、結局親になるのには全く向いていないんですよね。
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姪が今回貰ったおもちゃの中に、「スターウォーズのプレイ・ドー(小麦粘土)セット」というのがありました。ルーク・スカイウォーカー(らしきもの)を型どりしたり、ルークに比べると巨大過ぎるR2D2の頭から粘土をウニュニュと押し出す意味不明なおもちゃで、実際姪にはまだ難し過ぎました。大人達がWiiに夢中になっている間、私が手持ち無沙汰に、粘土で猫やらカエルやらテディベアやティーセットなどを作っていたら、姪は目をキラキラさせて大喜び。そう、本当は粘土だけで十分楽しめるはずなのです。どんなおもちゃを子供に買い与え、どんな遊びをさせるかは、やはり親(大人)自身が楽しいと想像出来るものに限られるだろうから、結局は大人の想像力次第だと思います。しかし、その想像力の悲しい程乏しい大人が多いということですよね。新しいおもちゃを山のように手に入れた直後でも、「伯母ちゃん、遊んでよ!」と寄って来る姪っ子は、確かにいじらしいのですが、いつまでその気持ちを失わずにいてくれるもんかなあ…。
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写真は全て、ブライトンのアンティーク・モールより、ビンテージのおもちゃ。
by derliebling | 2009-12-29 18:12 | イギリス生活・文化


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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