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ウィリアム征服王の城下町カーン

Rouen ルーアンから次の宿泊地へ向かう途中、ルーアンと並ぶノルマンディーの中心都市Caen カーンへ立ち寄ります。ここも歴史的に大変重要な、文化の香り高い町です。ウィリアム一世征服王に関わり深い町ということで有名で、イギリス人にとっては特に興味深いと思います。
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ノルマンディー公であったウィリアム(フランス名:ギョーム)一世は、1066年にイングランドに侵入し、サクソンのハロルド王を打ち破り、初代イングランド王になった人物です。私はこの史実を初めて知ったとき、海の向こうからやって来た人物に征服されちゃうなんて、国民はさぞショックだったろうなーと思いましたが、当時からイングランドはサクソン人だけではない多民族の土地で、異民族に寄る支配は当たり前だったため、「今度オラんとこの殿様の一族が変ったらしい」ぐらいに感じていたのかも知れません。ヴィクトリア女王なんて、血統的には99%ドイツ人だったと言われますし…。とは言え、1066年がイギリス人にとって忘れてはならない年なのは確かです。
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このカーンでは、ウィリアム征服王が建てたデュカル城、また妃と共に建てた男女二つの修道院などが最大の見所です。街の中央にドドーンと聳え立つデュカル城。こんな強固な城壁に囲まれた城ですから、内部への期待は高まります。
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深い堀に掛かる橋を通って城内に入ります。中世の香りプンプン。
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城壁はこんな高さ。中々ドラマティックです。
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・・・しかし内部は意外でした。広々とした公園になっており、幾つかの博物館が立っています。これは美術館。建物の後ろの棒の先に、気持ち悪いウレシクナイ彫像が立っています。手前右手のオブジェも、なんだか溶けた不味そうなアイスキャンディみたい…。
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こちらはノルマンディー博物館。先史時代からの考古学等を展示しています。
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この教会の側面に、第二次大戦でこの地で戦死したカナダ兵を悼むプレートが掲げてあります。ノルマンディー上陸作戦にカナダが参戦していたことは、イギリスでも余り知られていません。
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これがデュカル城本陣跡です。さらに深い堀で囲まれています。
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案内板の復元図。四方に塔を持つ四角い城でした。ウィリアム一世は、イングランド征服前の1060年にこの城を建てました。
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城の裏側。チョークの崖の上は住宅地です。堀の中は遊歩道になっています。
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城壁の上は散策できるようになっています。ここからの眺めは抜群。カーンは、第二次大戦の激戦地で、街の3/4を焼き尽くされたため、ヨーロッパの歴史ある町としては、比較的新しい建物が目立ちます。・・・奥に見える教会らしき塔のどれかが、多分ウィリアム一世が眠る男子修道院(現市庁舎)ではないかと思います。
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城正面に立つサン・ピエール教会。その前をトラムが走ります。カーンは、フランスで初めて電動式トラムを導入した町でもあるそうです。
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・・・商店街に行ってみましょう。ここは目抜き通りのサン・ピエール通り。この一角では、毎週金曜日に11世紀から続くマルシェが開かれるそうです。
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この通りで、度肝を抜く木組みの家に出会いました。柱や梁に細かい彫刻がビッシリ。右の建物は郵便博物館になっています。
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ここでおやつターイム! 今日はP太はアップルタルト、私はプラリネのシューを選択。プラリネ・クリームがまったりしていて大量で、ちょっと最後は飽きました。散々迷ったのに選択ミス。果物系にすれば良かった…。
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カード専門店がありました。カードと言ってもポストカードがメインです。狭い店内には、天井まで届く高い什器に、映画やイラストなどのポストカードがギッシリ。
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カラフルなプラスティック製のオリジナル雑貨を売っているお店。結構気が利いた収納グッズなどがありました。
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いかにもフランスの飲食店街らしい雰囲気の、レストランやカフェが集中するQurtier Vangueuxと呼ばれる地域。「カーンの小モンマルトル」との愛称も。
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ここでお昼にしたかったけど、時間もないし、全体的にちょっと高めで断念。お手軽で安いからと言って、城前のブラッセリーでオムレツ&フライドポテトを注文したら、グルメの国フランスとは思えないほど不味いものに当たってしまいました!(まあ、イギリスっぽい味っつうか) 店のおばさんは、非常に愛想良かったんだけどねー…。
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城から向かって左手にあるのが女子修道院(現地域圏議会議事堂)です。ここにはウィリアム一世の妃、マティルダが眠っています。二人の結婚が法王からの特免状で実現したため、これら二つの修道院を償いとして寄進したので、言わば国王夫妻の愛のモニュメントでもあるわけです。
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その近くにある、サン・ジレ教会跡。すんごい大量の死体が埋葬されていたそうです。そういやウィリアム王の征服以来、イギリスではノルマン(ノルマンディー)式教会が沢山建てられたのですが、本場では余り見掛けませんでした。
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カーンはノルマンディーの州都(正確には「地域圏の首府」と言うそうな)とは言え、見応えはルーアンのほうが遥かにあると思いました。しかしたった数時間の滞在でしたので、もし二つの修道院などをじっくり見学していたら、もっとずっと印象深い町だったろうと思います。15世紀からの歴史を持つ、大きな大学のある学生都市でもあるので(学生数は約2万人!)、若々しい活気ある町であることは感じられました。
by derliebling | 2009-09-19 17:39 | 旅行・お散歩


こんにちは!「ぴよよん」です。当ブログに御訪問頂き有り難うございます♪ 英国に住んでいますが中欧好きです。蚤の市等で出会った、または手作りなどの可愛い雑貨たちを紹介していきたいと思います。


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